東京高等裁判所 昭和59年(ネ)2107号 判決
推定相続人廃除の審判が確定したときは、その効力は法律上当然に発生し、戸籍の届出は効力発生の要件ではないものと解すべきところ(大審院昭和一七年三月二六日判決・民集二一巻二八四頁参照。)、藤井さかゑを藤井なかゑの推定相続人たる地位から廃除する審判が昭和五七年一〇月一五日確定し、その後藤井なかゑが昭和五八年一月三〇日死亡した事実は当事者間に争いがなく、右事実によれば、藤井なかゑが死亡した当時藤井さかゑは被相続人藤井なかゑの相続人ではなく、なかゑの財産を当初より相続しなかったものであって、控訴人がした本件代位登記は、その原因を欠く無効な登記であり、これに基づく本件強制執行による差押の登記も無効であり、控訴人は本件各建物につきなんら実質上の権利を有しないから、被控訴人らの本件各建物に対する登記の欠缺を主張することができない。以上の理由により、控訴人は、登記上利害関係人として被控訴人らに対し被控訴人らが本件更正登記手続をすることを承諾する義務があり、また、控訴人は、本件債務名義により本件強制執行をすることができず、被控訴人らの本件第三者異議は理由がある。
(川添 新海 石井)